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二次創作をメインにネット小説などを紹介するブログ


by grass_noppara
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金崎玄之丞の憂鬱10(ブリーチ・オリ主モノ)


 文月の頃(くもり)

数ヶ月ぶりに尸魂界に帰還したら六番隊の隊長室にカオスな水墨画がかかっていた。
なんと言うか、子供が書いたクマの頭に芋虫の胴体を持つクリーチャーの絵だ。
何、このカオス、俺って部屋間違えた?
呆然としていると白哉君が入ってきた、帰っていたのですかお疲れ様ですと労ってくれるのは良いが例の絵はスルー。
とりあえず帰還の挨拶と報告書の提出をした後、絵について聞いてみた。
なんか嬉しそうに判りますかとか言ってるんですが、気付いて無くてスルーしてる訳じゃなかったわけね。
どうも、ルキア嬢ちゃんが描いたものらしい、内容は兎も角、仲がいいのはいいことだよな、うん。
技術は荒いが良いセンスをしていると思いませんかとか言われた。
とりあえず、そうだなとか言って退室した。
六番隊の隊員に話を聞くと時々別の絵に変わるらしい、似たようなセンスで。
いや、付き合いも大概長いと思ってたが、あのセンスは無い。
私服とか着せたらどうなるんだ?
死神は服装のアレンジはあっても大きく変なのは無いからなぁ。
青春の嬢ちゃんは普通の格好してたからな、白哉君だけあんな感じなのだろうか、朽木家ってのは良くわからんな。




 葉月の頃(晴れ)

うーむ、これは燃え尽き症候群とでも言うべきか。
実家発見したし、青春の嬢ちゃんも見つけた。
正直、やる事が無い。
いや、仕事とかはあるんだが、それもまぁ、わんさか。
だけどこう言っちゃ何だが今更なんだよな。
手間が掛かるってだけで難しいわけじゃないし。
とりあえずしばらく十一番隊の様子でも見てくるか。





 葉月の頃2(晴れ)

なんか変なのが増えていた。
ハゲとナルシスバカだ。
話を聞いてみると新入隊員でお笑いコンビ、剣八のおっさんの知り合いらしい。
と言うか殺しあった仲らしい、因縁付けられたので黙れハゲと言ったら喧嘩吹っかけられた。
やべぇなぁ、冗談抜きで癒しが足りない、どっかに巨乳落ちてないかなぁ。
夜一さんカムバック、最近圧倒的に巨乳分が足りない。
とりあえずハゲは適当な縛道で拘束してから椅子に座らせて判子押しさせた。
十一番隊は搦め手に弱いよな、ちょっと考えた方がいいよ。
まぁ、剣八のおっさんみたいに縛道で捕まえても力ずくで拘束破壊されたりしたら無理だが。
ちょっとだけ悔しかったのは秘密だ、鬼道には自信あったんだけどなぁ。
それは兎も角、ナルシスバカは馬鹿だが書類仕事が出来る馬鹿だった。
よし、バカは除けてナルシスにして置こう。
そう言えば、今気付いたが剣八のおっさんが眼帯を付けてる。
心なしかと言うかはっきりと霊圧とか弱まって過ごしやすくなってるなぁ、前までは凄い勢いで落ち着かなかったけど。
でも、これで長い時間楽しめるなとか言ってもの凄い笑顔で俺を見ないでください。
気付かない振りしてやちる嬢ちゃんに金平糖を一袋上げた。
一瞬の食われました、ざらーって感じで、ちゃんと礼を言われた、関心関心。
とか思ってたら、私は見てるだけで良いから剣ちゃんと遊んでていいよとか笑顔で言われた。
よし、じゃあ借りてくぜと襟を捕まれ裏の訓練場に、ブルータス、お前もかー。
結局、日が暮れるまでつき合わされました。
剣はほんとうっすら通るようになったし剣撃の威力も下がったけどさ、いくら切りつけてもめっさ笑顔でガンガン攻めてくるのはかえって怖いわ。
あと、一撃で致命傷とは行かないので一回の模擬戦がなかなか終わりません。
終わったら終わったで治療してもう一回とか無いわー、便利な救急箱兼玩具とか思われてるんじゃないだろうか?
何時の間にか、よっしゃ俺も俺もとか言いながら拘束が解けたハゲとナルシスが乱入してきたのでとりあえず盾にして剣八のおっさんと斬り合ってた。
あぁ、うん、無気力でも良いからスリルなんて求めず大人しくしてりゃ良かった。





神無月の頃(晴れ)

とりあえず白哉君と合わせて休暇をとって朽木家にお邪魔した。
何時も通り銀嶺元隊長の所でお茶をしようと思ったら山本総隊長が来ていた。
この爺さん、話を聞いてみると銀嶺元隊長が子供の頃、既に老人だったと言うから驚きだ。
俺が卒業した真央霊術院の創始者で最低でも2000歳ね、霊体って凄いよな、そんだけ生きても記憶容量とか大丈夫なんだろうか?
とりあえず一杯だけ茶をご馳走になって退席した、年の功だけあって美味かったです。
今度、一番隊の茶会に顔を出しなさいとか言われたので行ってみよう。
多分、美味い茶を飲ませてくれると思うしな、うん、気力が湧いてきた。
白哉君の所に顔を出すとすずりで墨を擦っていた。
これから水墨画を描くらしい、ルキア嬢ちゃんの水墨画が思いの他、創作意欲を刺激したんだとか。
正直、どんな(ゲテ)モノが出来るのか興味があったので縁側で茶を飲みながらぼけっとしていた。
しばらくぼけっとしていたら出来たと言うので見せてもらったら、朽木家の縁側に座るナマコの怪物みたいな絵だった。
ナマコ元帥らしい、俺の雰囲気を擬人化したとか何とか、ナマコは人じゃねぇよ。
がちゃんと何かが割れる音が聞えたので振り向いたらルキア嬢ちゃんが湯飲みを落としたのにも気付かず愕然としていた。
どうやら視線は絵に向いている、あまりの名状しがたさにSAN値でも下がったのだろうか?
ぶつぶつ言ってるので良く聞いてみると、素晴らしいだの、流石兄上だの、私も精進が足りないだのと聞えてきた。
白哉君もルキア嬢ちゃんに絵を見てやるからこちらに座りなさいとか言ってる。
異世界だなぁ、ルキア嬢ちゃんも筆を持つ手の上から白哉君に手を握られて頬を赤く染めてるんだが。
描いてるものがモノだからなぁ……
仲が良いのは良い事だ、とりあえず眠いので縁側で昼寝をする事にする。
ちなみに起きたらナマコ元帥が凄い事になっていた……SAN値とか大丈夫かなぁ俺。






 師走の頃(くもり)

さようなら無気力な俺、こんにちは充実した俺。
何を無気力ぶっていたのか、俺はバカだと大いに言いたい。
こんなにも身近に素晴らしい世界が広がっているかと思うと感激を禁じえない。
そう、隊の用事で十番隊にお邪魔した時の事だ。
俺は視覚に対する尸魂界最強の凶器に出会ってしまった。
とりあえず会った瞬間拝んだ、滅茶苦茶拝んだら変な顔された。
なんか、凶器過ぎて凄い勢いで無気力とかどっか飛んでったわ。
名前は松本乱菊と言うらしい。
とりあえず、少しだけ話した、くっ、斬魄刀の事さえ無ければ俺だけの理想郷になってくださいと凶器に向かってだいぶするのに。
十番隊に来る予定があったら積極的に引き受けよう。
とりあえず、話してたら寄ってきた九番隊の檜佐木修平君に同じ匂いを感じたので飲みに誘ってみた。
紆余曲折を経て九番隊の隊舎で飲む事に、一晩中おっぱいについて語りつくした気がする。
ふたりしてオッパイオッパイやってたら東仙九番隊隊長がやってきた。
お酒は程ほどにとか言われたけど気にせずオッパイオッパイやってた。
翌朝、頭痛の中、思いっきり説教を受けた。
だって、久しぶりにおっぱいについて語り合える戦友(とも)が出来たんではしゃいでも仕方ないじゃないですか。
最近貧乳ばっかで俺のアイデンティティが云々と語ったら滅茶苦茶複雑そうな顔していた。
何故だろうか?
十一番隊の射場さん(剣八のおっさんに吹き飛ばされた席官に居たらしい)もおっぱい仲間でライバルらしい。
今度、修平君と射場さんの三人で心行くまでおっぱいについて語り合いたいと思う、おっぱい。




 師走の頃2(晴れ)

あまりの巨乳に正気を失っていたようです。
玄海の嬢ちゃんに夢の中で滅茶苦茶怒られました。
しかし、あの破壊力はまさに凶器、枯渇状態にあった巨乳分が一気にオーバードライブでリミットブレイクするとはなぁ。
流石にあんなばっかだったら変質者扱いされるので虚乳分で相殺しておかないといけない。
ちょうど良いし砕蜂と酒でも飲みに行くとするかと考えたので、さっそく夜にお誘いに行った。
虚乳分で巨乳分相殺したいから一緒に酒でも飲もうぜと言ったらぶちのめされた。
一緒に酒は飲んだけどな、しかし、酒飲むたびに蝶だか蜂だかわからん模様が付くのは何でだと聞いたら練習だとか言われた。
何の練習か聞いたが教えてくれないので諦めた。
下界の酒もいい、尸魂界のツマミも美味い、流石隊長クラス良いもの食ってるな。
酒飲んでたら副隊長の大前田君もツマミの匂いにつられてやってきてた。
どうやら彼の夜食だったらしい、抗議に来たらしいが砕蜂に一睨みされてすごすごと帰っていった。
ちょっと不憫だったが、ツマミが美味いのでよしとする、見た感じ質より量っぽいので煎餅でも大量に送っといてあげよう。
たまには貧乳と飲む酒も悪くない、そんなこと思ってたらチクっとして模様が増えた。
だからなんでそういうことやってんだよ、秘密?
わけわからんなぁ。






 金崎玄之丞 運命と出会った頃の日記より一部抜粋。







 藍染惣右介の憂鬱




 それは本当に偶然だった。
 朽木家の新党首が流魂街出身者と結婚すると言うことで護廷十三隊の隊長格などを集めて披露宴をした時の話だ。
 こちらをじっと見つめる視線を感じた。
 不機嫌そうにこちらを見ていた男の顔に正直はっきりと見た覚えは無かった。
 特徴の無い男、ようやく思い出した、たしか六番隊の三席だったはず。
 護廷十三隊の隊長格を巻き込んだ実験の時に予定外に現れた女の恋人だった男のはずだ。
 もしかして何か聞いてるかもしれないと一時期探りを入れていたが特にそう言うそぶりを見せ無かった。
 孤高を保っている二番隊の隊長と親しく、彼女に朽木家の援助を取り付けたのは彼だと言う話だった。
 もしかして何かを掴んだのか勘か、まぁ、ここまで辿り着く事が出来るとは思えないが……

 軽く調べてみるが、確かに仕事は出来るが例の事件について調べているような事は無いようだ。
 どちらかと言えば事件の関係者のケアを重視してやってるように見える。
 口は悪いがお人好し、そう言う事だろうか?

 それからしばらくして、要が奇妙な表情で訪ねて来た。
 以前、彼には例の男、金崎玄之丞について話をした事があった。
 そんな彼が九番隊に現れて彼の部下と酒を飲んで管を巻いていたらしい。
 人は得てして酒を飲むと本性が現れる。
 果たして彼はどのような本性を隠しているのか、興味を持ったので詳しい話を聞いてみた。
 最初は渋っていたが、二度尋ねたらポツリポツリと話し始めた。

 これはどう言う意味だろうか?
 自分を怪しむ人間に対するブラフか、いや、要が部下だと言うことに気づかれたはずがない。
 じゃあ、本性か?
 しかし、本性と言うには、噂との齟齬が激しすぎる。
 まぁ、なんにせよ、計画の邪魔になるような男では無さそうだ。
 最低限、他の席官と同様に動向だけ把握しておけばいいだろう。
 優秀そうだが、手駒には向きそうも無さそうだ。

 さて、次の手は、何処にどう打つか。
 浦原喜助を取り逃がしたのは痛かった、崩玉さえ手に入れば手っ取り早かったものを。
 資料に寄ればそう簡単に破壊できる代物では無さそうだ、浦原喜助、彼ならばどうやって処分しようとするか……
 そう考えているうちにあの平凡な男の事は頭の片隅に押しやられた。







 了
by grass_noppara | 2009-02-19 00:56 | 駄文