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二次創作をメインにネット小説などを紹介するブログ


by grass_noppara
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金崎玄之丞の憂鬱7


 如月の頃(晴れ)

先日、朽木白哉の六番隊隊長への就任が正式に発表された。
今まで通り、白哉君とは言えんなぁ、少なくとも公の場では。
なんだかんだ言って四貴族って言うのは体裁を大切にしないといけないらしい。
俺にとっちゃ面倒なんだが、特権には義務やら何やら面倒な事も付随するのが当然だと言うことらしい。
銀嶺元隊長も当主の座も隊長の座も白哉君に譲って気楽になったわとか笑っていた。
定年退職して暇になった銀嶺元隊長とは一緒に茶を飲みながらそんな話をしていたりする。
なんか老人と話してると落ち着くんだよね、時間がゆっくり流れてる気がして、速く仕事しろとかせかされないし。
やべぇ、入り浸りてぇ……
しかし、そろそろ曾婆ちゃんとか普通に生まれてるはずだよな。
当分、下界任務とか増やさせてもらおう、そろそろ居所くらい判明させとかないといざって時に困るしなぁ。
再び頼まれた副隊長の件も悪いけど三席据え置きって事にして置いてもらおうかな。
まぁ、実力に伴った義務がどうとか言われたけど、白哉君以外には卍解とか秘密にしてるし。
俺にとって死神は手段であって目的じゃないし、とりあえずやりたい事終わったらいくらでも働きますよと言っておいた。
我が儘言ってるのは判ってるんだけどな、これが俺だし諦めて貰おう。




 卯月の頃(曇り)

地上勤務増やしました。
一年間で尸魂界に居るのは一ヶ月もないくらいだったりする。
席官が一箇所に居続けるのは戦力の無駄遣いと言う奴だから、結構激戦区を盥回しにされる感じです。
正直、最初はちょっと後悔してたんだけど、地味に楽になってたり。
流石卍解、舐めてました、超舐めてました。
10倍強くなるとかマジですね、今までの相手とか白哉君の千本桜景厳ばっかだったので実感なかったんだよな。
超疲れるけど、結構持続時間とかも延びてきてるし、一度卍解達成したせいで始解もそこそこ強化されてきてるのがわかる。
やばい、俺の時代が来たかもしれない、心の片隅にいつでも仲良しだった俺TUEEEの夢が達成できるかもしれん。
大虚とかカモンカモン、ふっ、私の斬魄刀は卍解まであるぞー。





 長月の頃(雨)

尸魂界に戻ってる時に久しぶりに十一番隊の隊長に出会った。
この隊、基本的に脳筋ばっかで会話にならないんですが今の隊長は別です。
髭のオッサンですがお茶目な性格な割に仕事とか結構出来たりする。
50年ほど前のごたごたの時にあまりに働かない前隊長の剣八(でぶ)を切れてぶちのめしちゃったせいで隊長になったという異名付き。
実はここしばらく霊力が落ちてきているらしい。
なんでだろうなと話しながらちょっとだけ仕事手伝ってきた。
なんか部屋の隅に栄養ドリンクの山が出来てて苦労してるんだろうなぁという事がスゲー良く判ります。
昔は一本で三日働けたんだが、最近は一本で一晩しか持たないんだわとか言っていた。
帰り際、嫌な予感がしたのでビンを見てみたら〇に涅の栄養ドリンクでした。
以前、送ったあのドリンクまだ飲んでたんだなぁ。
俺とか技術開発局の局長兼十二番隊の隊長の姿見てから飲むの止めてたんだよな。
とりあえず、四番隊に連れて行った、連れて行ってる間に飲んでない栄養ドリンクは全部処分した。
何これ、俺が悪いの?




長月の頃2(くもり)

十一番隊の隊長は異常なしで退院してきた。
ホントに異常無いんだろうか?
十二番隊の隊長なら、異常が判る程度なら二流だヨとか言いそうです。
副隊長美人だけど、あの隊長の下で苦労して無いだろうか?
もう、色々突っ込みどころ多すぎて十二番隊には近寄りたくありません。
隊長とか霊力も落ちてるらしいし大丈夫かなぁ。





神無月の頃(晴れ)

地上勤務が終わって休暇で尸魂界に戻ってきた。
虫の知らせだろうか、六番隊の隊舎に戻る前に十一番隊の隊舎に寄って見た。
なにやら騒がしいのでそこらの一般隊員(名前はまきまきがどうとか)捕まえて事情を聞いてみる。
隊の新入りが隊長に決闘を挑んでるらしい。
ちょうど良いからとか言われて立会人を頼まれてしまった。
結論から言うと半端なかったっす。
最近霊力が落ちてるといってたとはいえ、新入りが隊長を一撃で倒すとかありえません。
隊長も卍解は使ってなかったんですがもしかしたら霊力が落ちてて使えなかったのかも知れない。
名を更木剣八と言うらしい、自分から剣八を名乗るとか正直お近づきになりたくない人種です。
隊長はまだ立っていて戦えそうですがこれ以上やると多分死ぬ。
咄嗟に割って入って決闘を止めたのは良いけどめっちゃ睨まれてますよ?
とりあえず玄海嬢ちゃんで隊長の方を治療して四番隊に運びました。
決闘は更木剣八の勝利になると思う、判例通りなら新入隊員が隊長になるって事になるが大丈夫だろうか?
また書類とか滞るだろうな、手当ての感触からして命に別状は無いけど、心配だ。



神無月の頃2(くもり)

どうやら、先日の決闘の件は正式なものとして認められたらしい。
入院中の元隊長に会いにいった。
どうやら本人的には随分前から引退を考えていたらしい。
卍解が使えなくなるほど霊力が落ちてるとなれば隊長は続けられない、そういうことらしい。
流石に新入隊員に決闘で負けるとは思えなかったがなと豪快に笑っていたのが印象的だった。
そうと決まったわけではないがあの栄養ドリンク飲むの途中でやめててよかった。
眠気と霊力消す栄養ドリンクとかホントにできるのか、技術開発局本気で侮れねぇ。
元隊長は本格的に霊力無くなって来てるらしく、休隊して西流魂街に移住するらしい。
あそこは良い所だから、ゆっくり休息を取って下さい、お疲れ様でした。
去り際に十一番隊の様子をちょくちょく見に行ってくれと頼まれた。
多分、滅茶苦茶嫌そうな顔をしたと思うんだが、向こうも向こうでそういえば栄養ドリンク勧めてくれたの君だったよねとかなんとか。
ハイハイ、拒否権ありませんね、なんかもうこう言う扱いなれました。



 

 神無月の頃3(曇り)

とりあえず、今回の休暇はこれで潰れそうだ。
他所の隊の手伝いをすると言う事で本隊である六番隊で白哉君の許可を貰って十一番隊に。
朝っぱらから道場でエライ騒ぎになってます、席官全員フルボッコとかないわぁ。
荒れくれものだけあって斬術とか白打とか強い奴多かったんだけどちょっとばかり桁が足りてないな。
なんというか、新入隊員の頃に銀嶺隊長にしごかれてた時を思いだすなぁ。
まぁ、折角なのでしばらく隅で見学でもする事にする。
しかし、この新しい剣八は凄いね、めっさ笑顔で大暴れ、技と言うか本能だなぁ、うちの白哉君とは間逆の斬術の達人だ。
見学してたら草鹿やちるちゃんと言うお嬢ちゃんと仲良くなった。
十一番隊の新人らしい、剣ちゃんって人についてきて入隊したんだとか、それって新しい剣八の人の事だよな?
もしかして子連れ狼的な人なのか?
実はいい人だったりするんだろうか、滅茶苦茶悪役顔だけどな。
全部終わった後(新隊長が全員吹き飛ばして満足した後)、割りと重症な人の治療をすることにした。
玄海嬢ちゃんで傷を塞いで治癒の鬼道で治療とか、久しぶりに悲鳴とか泣き声とかが心地いいなぁ。
最近、六番隊とか能力とか知れ渡ってて誰もビビッてくれないからなぁ。
治療してたら後ろから殴られた、玄海嬢ちゃんが止めてくれたけど。
振り向いたらちょっと嬉しそうににこっち見てる剣八の人発見。
バトルモードセット、ロックオンって感じでしょうか?
とりあえずこれだけは言って置かなければいけない。
こっちが負けたら書類仕事は全部やる、ただし、30分生き残ったらサインと判子は押せと。
長い30分でした、30分生き残ったけど一時間攻撃にさらされ続けました。
いやね、玄海嬢ちゃんの刃が通らないとかどういう身体してんでしょうか?
それこそ卍解でもしなきゃダメージ与えられる気がしません。
なんか無理ゲーやってる気分だ、怪我の治療しながら書類仕事なんていくら忙しくても初めてだよ。





 霜月の頃(晴れ)

色々手続きとか手伝ってるうちに、なんだかんだいってこの剣八って言う男は悪い人間じゃないんだなぁと言う事も判ってきた。
アウトローであるのは間違いないんだが、そうじゃなければやちる嬢ちゃんとかは懐かんだろう。
何だかんだ言いながら面倒見はいいし、盗賊の親分みたいな感じだ、あまりに合い過ぎて違和感ねぇよ。
とりあえず、組み手は全力防御に徹すれば時間稼ぎは出来るし、頑張れば逃げれる。
ただ、攻撃では鬼道以外ではちょっとダメージを与えられる手段が想像付かない。
これで斬魄刀の名前すら知らないと言うんだから頭が痛い。
とりあえず、勝つのは難しいが負けがないと言う事は理解したようでそう頻繁には組み手を頼まれなくなった。
書類仕事をやる気は無い様でどうやら休みの度に見に来ないとどうにもならないことは判った。
前隊長め、ろくでもない仕事を押し付けてきやがって、やちる嬢ちゃんが居なけりゃぶっちってるわ!
なんか、ロリっ子には相性が悪すぎる、こんな純真な目で見られると見捨てられない。
青春の嬢ちゃんとか玄海嬢ちゃんとはまた違った強敵だよ、悪意が無い分よっぽど性質悪いがな、文句言えない的な意味で。
なんか玄ちゃんとか言われた、やべぇ、超和む。
しかし、気が付いたらやちる嬢ちゃんが副隊長になってるし、しかも席官とか全員バトルジャンキーがふっ飛ばしたせいで仕事する奴居ないんだがどうよ。
白哉君とかに言ったら滅茶苦茶頭抱えて眉間にしわよせてたわ。
真面目だからなぁ、とりあえず、俺一人ではどうにもならん、山本総隊長に援軍要請だ。
十一番隊の担当地区とかどうするっちゅーねん。
悪い人間じゃないのは判った、しかしこの男、悪意とか無しに問題事起こすトラブルメイカーだ。
当分、地上勤務は無理っぽいなぁ。





 金崎玄之丞 何故か十一番隊助っ人の頃の日記より一部抜粋。









 荒巻真木造の憂鬱





 とんでもねぇ厄日があったもんだ。
 その日、いきなり俺らの隊の入隊試験で新人が隊長に向かって決闘を吹っかけやがった。
 左頬に刀傷のある人相の悪い餓鬼連れのボロを着た男だった。

「入隊試験を受けるまでもねぇ、一番強い奴をぶっ殺すのが一番簡単だ」

 そう言う男を最初俺らは馬鹿を見る目で見ていた。
 だって、考えても見ろよ、死神の護廷十三隊の隊長なんてもんは何万と言える死神の中で最強の十三人のことだ。
 それを死神になってもいねぇ入隊試験を受けに来たような奴が勝つなんてありえねぇ。
 そうやって、馬鹿な新入りが倒されるのを見るために隊舎裏の訓練場で隊員が集まっていた。
 そんな時だ、六番隊の隊章をつけた不機嫌そうな男が現れたのは。

 何度か十一番隊でも見た事のあるそいつはうちの隊長の個人的な友人だ。
 六番隊第三席の上位隊士さまってやつだ。
 話の流れから決闘の立会人に指名され、隊長と新入りの決闘が始まった。
 決闘は予想通り一瞬で終わり、予想を外れ一刀のうちに切り伏せられたのは隊長だった。
 どう考えても、後一撃喰らえば死ぬような怪我で隊長にもう一撃加えようと新入りが動いた。

 その瞬間、何時の間にか黒い玉を両手の先に浮かばせた立会人の男が新入りの剣と隊長の剣を受け止めていやがった。
 斬撃でたわわに歪んだ黒い玉だが、傍目にはゴムのような弾力で剣を弾き、それを横目に見ながらそいつは隊長の治療を始めた。

 隊長はそのまま四番隊に運ばれていき、上からの告知で十一番隊の隊長は例の新入り『更木剣八』が就く事になった。

 数日後、隊長就任の手続きと仕事の引継ぎの件でという名目で例の奴が十一番隊に顔を出した。
 よほどトラブルに好かれてるんだろうよ、そいつが来たとき、新隊長の剣八さんが道場で席官全員ぶっ飛ばしてる所だったんだからな。
 それを見て、そいつは溜息ひとつ付いて道場の隅に座って新隊長のツレの草鹿やちるって言うお嬢ちゃんと雑談を始めやがった。
 あらかた新隊長がぶちのめし終わった後(当然俺も瀕死で転がってたがな)にそいつは不機嫌そうな顔で重症の奴等に治療っぽい事を始めやがった。
 以前見せた黒っぽい玉がヘドロのように溶けて傷口にずぶずぶと入り込んでいくのは見ていて気持ちいいもんじゃねぇ。
 うっすら笑みまで浮かべてやがる、こいつは絶対サドだ、治療?を受けてる奴なんかマジ泣きしてやがるぜ。
 治療が終わってそいつが一息ついていたところでうちの隊長が動きやがった。
 後ろからとりあえず一撃斬魄刀でなで斬りにしやがった。
 後で聞いたんだが、ホントに撫でた程度でかなり手加減していたらしい。
 その後、なし崩し的に六番隊の野郎と新隊長の組み手が始まりやがった。
 十一番隊の席官を斬魄刀ごと膾切りにした新隊長の一撃を、例の黒い玉を使って、逸らし、受け止め、絡め取り、弾いて、また逸らした。
 そして何時の間にか手に取った全体が真っ黒な斬魄刀で、黒い玉で斬撃を逸らした反動で体が泳いだ隙を突き、一撃を浴びせる。
 そういう戦いをしていたらしい、らしいと言うのは俺には見えなかったからだ。
 倒れていた席官が退院後教えてくれた。
 組み手は大体一時間ほど続いた、最後は集中力が切れたのか逸らし損ねた新隊長の一撃で六番隊の野郎の敗北と言う形で蹴りが付いた。
 その後、自分で例の黒い玉を使って怪我を塞いで書類仕事してるとか人間業じゃねーよ。
 ちなみにあれだけ六番隊の野郎の剣を受けておきながら無傷の新隊長はありえねぇ。
 これを見た後じゃ、この更木剣八の新隊長就任に異論を挟む奴はいなかった。

 しかし、何でまだこの六番隊の野郎は居るんだろうか?
 スゲー勢いでなんか書いてるけどよ。
 隊長は好きにやらせとけ、好きでやってるんだからよとか言っていた。
 隊長にすりゃ、気が向いた時の暇潰しって所なんだろうなぁ。
 サドだと思ってたが、マゾでもあったのか、六番隊ってのは真面目な奴が多いって聞くけどよ。
 真面目な奴ほど裏で変態やってる場合も多いとか聞くからなぁ。
 全く、変な野郎だ。





 了
by grass_noppara | 2009-02-16 01:25 | 駄文